アメリカ研修 活動報告(6日目)

今日も寒い一日となりました。しかし外出する日はそう天候が崩れず、砺波高校アメリカ研修チームは幸運な集団であると日々思います。
本日も全員時間通りに集合し、最後の英語レッスンに向かいました。前日の日記には今日に向けての思いを多くの生徒が綴っていました。「時間が過ぎるのがあまりにもあっという間で悔しいけれど、明日で最後、‘よかったな’と思って終われるようにしたい」「残り少ない時間をより充実させるためにどうするかは、自分しかない」と、これまで以上に自分自身に向き合い考えている様子が伝わってきました。終了後にレッスンの感想を聞くと、授業中に何としても発言をして爪痕を残す者、周囲の留学生とコミュニケーションを取ることで難しいレッスンを乗り越える者、休み時間のフリーな交流に精力を傾ける者と様々ですが、異口同音にこの語学学校での生活が「楽しかった」と言ってくれるのは、生徒が葛藤や時には挫折感の中でも折れずに努力と挑戦を続けた結果かと思います。
レッスンが少し早めに終了すると、Graduation Ceremonyが実施されました。砺高生30名と、その他にも5名程度が今日で語学学校を修了し修了証を先生から受け取りました。この語学学校に通う生徒と先生の全員が集う賑やかな場所で、砺高生5名から感謝のスピーチ、そして合唱部4人によるクリスマスソングが感謝の気持ちを込めてプレゼントされ、大きな拍手を受けました。Graduationで、希望すれば何かができるチャンスはあるとだけお伝えしたところ、自ら考え名乗りを上げた生徒達です。こういった成功体験こそが長く記憶に残り生徒達のさらなる力に変わっていくのではないかと思います。生徒達は最後名残惜しそうに留学生たちとの交流を楽しんでいました。

ランチの後、生徒からの投げかけで、午後のアクティビティに入る前に、ミーティングが行われました。希望する生徒のみだったのですが、時間になると30名全員が集合していました。甘えを捨てて現状をしっかり認識し、残された研修を全力で取り組むために生徒同士が本音で語り合う時間です。果たしてどんな会になるのか、見守る側として心配もありましたが、ある生徒から「ここに来たということは何か話したいことがあるはず。そうであれば黙っているのはおかしい。砺高生ならできる、やらなければいけない」と投げかけがありました。すると少しずつ手が上がり、生徒達は内に秘めた思いを語り始めました。「今まで行動する前に結果を勝手に予想して諦めることがあった。何かをする時に自分で勝手に境界を決めてしまっていたと思う」「クローズドクラスになってしまった時は正直悔しかったが、そういう環境になったからこそ自分はもっと頑張らなきゃいけないと思い、教室の外に飛び出した」「できていないことはいっぱいある。だから残りの1日半を全力で頑張る」などこれまで内に秘めていた思いを言葉にして伝え、そして生徒達は仲間の声に真剣に耳を傾けていました。また間もなく帰国となることを踏まえ、「成長し胸を張って日本に帰りたい。帰りを待ってくれている人達に、しっかりありがとうと言いたい」と語る生徒もいました。自分の力でここアメリカに来られたわけではなく、ご家族を始め先生方や現地でも多くの人々の支えを受けています。その人々の思いを生徒1人1人が背負っており、人としてその思いに応えていく責任があると思います。そして砺高生には責任を負える‘力’があります。改めて残り1日半それぞれベストを尽くし全力で挑戦していくことを確認して会は終了となりました。

その後、ボストン美術館の見学に出かけました。アメリカ3大美術館の一つである同館は、50万点を超える所蔵品を誇り、本物に触れる貴重な機会です。到着後、帰る時間含めて時間の使い方は生徒に任せ、明日のアナウンスをして解散しました。フロアガイドを片手に思い思いに楽しんでいたようです。
明日はいよいよ研修最後のビッグイベント、班別での自主研修になります。今日の会でも生徒から上がりましたが、楽をしていては本質的な意味でこのアメリカ研修を楽しむことはできません。全力で‘楽しい’と思える1日を生徒達自身の手で創り上げて欲しいと思います。以上、研修6日目の報告といたします。